旅と映画

行ったところと観た映画の個人的な記録

モノレールに乗って1.[新選組の里を訪ねる]

 モノレールが好きである。高いところを走るので景色がよいし、どことなくのんびりしていて、非日常のにおいがする。私が住んでいる福岡市にはモノレールの路線はないので、乗るのは常に旅先である。今回乗ったのは、東京の多摩モノレール。開業は1998年11月。まず立川北から上北台間が開通し、2000年1月に多摩センターから立川北間が延伸開通した。地元の足として多摩地区を結んでいる、そんな多摩モノレールに乗ってみた。

 当日は立川北駅を出発し、高幡不動駅で下車。関東三大不動として知られる、高幡不動尊金剛寺の最寄り駅だ。移動中、車窓から遠くに富士山を眺めたり、眼下に多摩川を見下ろしたりできる。

 高幡不動駅で降りて気が付いたのは、やたらに「新選組」が目につくことだ。あちこちに新選組に関する掲示や案内板があり、隊士のイラストがラッピングされたタクシーが走っていたりする。うかつにも知らなかったが、高幡不動尊のある日野市は新選組副長として人気が高い、土方歳三の生誕地なのだ。

 作家の三浦しをん氏がエッセイ集「桃色トワイライト」(新潮文庫)の中で「なんで女子は、新選組を好きなんだろう。あと、三国志。私のまわりのほとんどの女性が、中高生のころにこの二つを通過している気がする」と書いているが、実は私もその一人。

 三浦氏は「おなごをおなごだけの世界に放りこんでおくと、『男子の熱き群像劇』に勝手に命の炎を燃焼させてしまう」と、女子高に通っていた自身の高校時代のことを振り返って書いているのだが、男子の群像劇に熱くなるのは女子高出身者だけではない。私も高校の修学旅行で京都に行った際は、友人とみやげ物屋で例のダンダラ模様の羽織を買って、宿泊先のホテルで着たりしていた。いやはや、何ゆえ女子は男子の群像劇が好きなのか?この辺り、いずれ突き詰めて考えてみたい。

 高幡不動尊の境内には、土方歳三の像や顕彰碑が建っている。顕彰碑は正式な名前を殉節両雄之碑。明治政府は戊辰戦争で敵対した東軍の戦没者の供養を禁止していたが、1874(明治7)年、ようやく禁が解ける。そこで、元隊士の永倉新八が中心になって、供養塔の建立が始まる。日野でも高幡不動尊の住職や近藤、土方の親族、天然理心流の後援者たちが顕彰碑の建立を進め、紆余曲折あるも1888(明治21)年に完成した。

 

 

 

 

  土方の像の方はそれよりかは時代がグッと新しくなって、1995年に地元のロータリークラブが建てたもの。 

 

 

 

 さて、土方が生まれたのは多摩川ほとりの武藏国多摩郡石田村。多摩川沿いに10キロほど行くと多摩郡上石原村(現・調布市)があり、こちらは近藤勇の生誕地。二人は多摩川の水で育ったのだ。

 高幡不動駅の隣、万願寺駅が土方の生家に近く、墓や資料館があるというので行ってみることとした。