2024-01-01から1年間の記事一覧
4月の初めに、上野を歩いてきた。朝の10時から国立科学博物館に行き、4時間ほどかけて展示を見た後、周辺をぶらり。立ちよった一つが、上野学園だ。 上野学園とひとまとめになっているが、上野学園中学校、上野学園高等学校、上野学園短期大学から構成され…
中洲太洋こと「太洋映画劇場」は、福岡市の繁華街・中洲で1946年から営業を続ける老舗の映画館だ。映画が娯楽の王様だった時代の雰囲気をそのまま残す、華やかな内装やふかふかのシートが心地いい。 私はこの劇場にはリバイバル上映を観に行くことが多かった…
中洲太洋で、ブリッツ・バザウーレ監督の「カラーパープル」を鑑賞。ピューリッツァー賞を受賞したアリス・ウォーカーの小説が原作で、1985年にはスティーブン・スピルバーグ監督により映画化された。今回はスピルバーグが制作を務め、ミュージカル仕立てに…
KBCシネマで、リドリー・スコット監督の「テルマ&ルイーズ」を鑑賞。1991年に公開された、シスターフフッド映画の金字塔だ。 主婦のテルマとウェイトレスのルイーズが、週末のドライブ旅行に出る。抑圧的な夫のもとで自由な時間の少ないテルマは、女友だ…
KBCシネマで、ペーテル・レバネ監督の「Firebird ファイアバード」を鑑賞。1970年代、旧ソ連占領下のエストニアを舞台に、男性同士の恋愛を描いた美しい作品だ。 主人公セルゲイは兵役中の青年だ。彼が服務している基地に、将校のロマンが配属されてくる…
ドイツ兵俘虜慰霊碑は、JR南久留米駅から歩いて20分ほどのところにある。慰霊碑のほか旧陸軍に関係する戦跡がいくつか残っているので、それらも併せて訪ねてみた。 まず、歩いていると唐突に「忠霊鎮護之地」と刻まれた石碑が見えてくる。大きくカーブした…
1914(大正3)年10月、久留米にドイツ兵俘虜(捕虜)を収容するための収容所が設置された。全国で最初に設置された収容所である。所長は樫村弘道が務めた。 京町の梅林寺、日吉町の大谷派教務所・事務所、篠山町の香霞園、三井郡上荒木(こうだらき)村の高…
一度ゆっくり訪ねてみたいのだけど、なかなか叶わずにいるところの一つに、久留米がある。福岡県の南部、筑後平野に位置する久留米市は、私が住んでいる福岡市から西鉄電車の特急に乗れば30分。筑後川がゆったりと流れ、文化の香りがする素敵な街である。仕…
キノシネマ天神で、三島有紀子監督の「一月の声に歓びを刻め」を鑑賞。北海道・洞爺湖の中島、伊豆諸島の八丈島、大阪の堂島という3つの島を舞台にした、喪失と再生の物語だ。 中島のマキは幼い娘が性暴力の末に殺され、恐らくはそのために自分が男性である…
慶応3(1867)年、アメリカに留学した14歳の高橋是清は、まずサンフランシスコでヴァンリードという老夫婦の家に世話になることとなった。老夫婦は最初こそ歓待してくれたものの、是清に料理の手伝いや部屋の掃除、使い走りなどの下働きをさせ始める。勉強…
江戸東京たてもの園にて、高橋是清邸を見る機会があった。高橋是清は言うまでもなく、日本の首相にもなったことのある人物だ。たてもの園に保管されているのは、1902年に赤坂に建てられた家屋で、実はこの2階が二・二六事件の舞台である。 二・二六事件が起…
キノシネマ天神で、キム・ジュハン監督の「マイ・ハート・パピー」を鑑賞。兄弟同然に暮らしてきた愛犬を、ある事情から手放すことになった主人公が、いとことともに里親のもとを目指すが、その道中でなぜか犬の数がどんどん増えていく・・・という愉快なロード…
KBCシネマで、塚本晋也監督の「ほかげ」を鑑賞。塚本監督は、高校生の時に「鉄男」を観て以来、ずっと好きな監督だ。俳優としてもとても魅力的だと思う。要するに大ファン。その塚本監督が来福され、上映後のトークイベントに登壇するというので、それに…
2024年最初の映画鑑賞は、KBCシネマにてアキ・カウリスマキ監督の「枯れ葉」。前作「希望のかなた」ベルリン国際映画祭で銀熊賞を受賞するも、引退宣言をしたカウリスマキの6年ぶりの新作だ。 主人公はもう若くない男女二人。女性のアンサは物語が始まっ…