旅と映画

行ったところと観た映画の個人的な記録

朴烈

大逆ツアー 鎌倉8.[いわさき(社会主義おでん)]

銀座をぶらりと歩いた後は有楽町へ。食堂「いわさき」が開いていないか、ちょっとのぞいてみようと思ったのだ。 いわさきは1920年に創業した老舗の食堂だ。創業時は有楽町のガード下に店舗をかまえており、日本初のガード下飲食店として知られている。 この…

韓国大逆ツアー ソウル・聞慶編6.[朴烈義士記念館の展示]

金子文子の墓に手を合わせた後は、いよいよ館内へ。たまに、「同じところにそんなに何回も行ってどうするの?」と聞かれることがあるけれど、行く度に発見があるからだ。新しい資料が展示されていることもあれば、以前には目にとまらなかった資料に引き付け…

韓国大逆ツアー ソウル・聞慶編5.[朴烈義士記念館までの道と金子文子の墓]

最寄りのバス停から朴烈義士記念館までは歩いて15分ほど。タクシーで行けば楽なのに、あえてマウルバスに乗るのは、この道を歩きたいからだ。朴烈が慶尚北道聞慶郡麻城面で過ごしたのは、咸昌(ハムチャン)の公立普通学校に転校する10歳まで、即ち1911年ま…

韓国大逆ツアー ソウル・聞慶編4.[聞慶へ]

韓国旅行3日目。今日はソウルから慶尚北道・聞慶(ムンギョン)へ移動。約一年ぶりに「朴烈義士記念館」とその敷地内にある金子文子の墓を訪ねる予定だ。5回目の訪問である。 まずは地下鉄で、東ソウル総合バスターミナルまで移動。仁寺洞から30分ほど。聞…

韓国大逆ツアー ソウル・聞慶編3.[保守とマッコリ]

韓国旅行2日目。当初の予定では仁川観光をするつもりだったが、1.で書いたような事情でできなくなってしまった。新たに計画を立てるのも面倒で、今日はほぼノープランである。とりあえず、朝起きたらタプコル公園まで散歩してみた。 アジョッシ(おじさん…

韓国大逆ツアー ソウル・聞慶編2.[素晴らしきかな、コンビニ]

そんなこんなで11月8日。当初10時ちょうどの出発予定だったのが、18時45分に出発。こんな遅い便で韓国に行くのは初めてだ。でも、窓から見える夜景が美しい。遅い便もちょっといいなと思う。 (これは離陸前、飛行機の中から見た光景) 仁川国際空港には予…

韓国大逆ツアー ソウル・聞慶編1.[行く前から大変だ]

11月8~11日の日程で韓国を旅行してきた。目的は特にない。強いて言えば、日韓関係が悪化しているからだ。端を発したのは今年7月に日本政府が韓国に輸出規制措置を取ったことであるが、この背景として徴用工や日本軍「慰安婦」をめぐる歴史認識問題が指摘…

立松判事と朴烈、金子文子 ~その複雑な関係~

本田靖春「不当逮捕」(講談社)を読んでいる。1957年10月24日、次々とスクープを飛ばしていた読売新聞の記者が突然、警察に身柄を拘束される。彼の書いた売春汚職事件をめぐる記事が名誉棄損にあたるという理由だが、検察側の意図は記者のスクープのリーク…

韓国聞慶・芙江旅行2.[日韓合同学術大会]

2日目は日韓合同学術大会に参加するため、金Cさんの運転で聞慶の朴烈義士記念館に向かう。あいにくの雨模様で、途中工事で渋滞していたりするも、開始2分前の12時58分に記念館に到着。 朴烈義士記念館にて。「2018 日韓共同学術大会」 大会のテーマは「朴…

韓国聞慶・芙江旅行1.[ソウルにて合流]

10月25日から27日まで、2泊3日で韓国へ行ってきた。今回の目的は、26日に聞慶の朴烈義士記念館で行われる「朴烈と金子文子 日韓アナキズム連帯闘争の歴史と未来」と題した日韓共同学術大会に参加することだ。登壇者の一人である亀田さんからお誘いいただい…

韓国聞慶旅行6.[2日目] 聞慶宿泊

この日は初めて聞慶に宿泊。ホテルはグーグルマップで位置を確認したら、聞慶バスターミナルから大きな通りをまっすぐ行ったところだ。ただ、実際に歩いたらどのくらいの距離なのか、全然見当がつかない。これまでの数々の失敗が脳裏をよぎる。 例えば中国に…

韓国聞慶旅行5.[2日目] 金九と朴烈

さて、今回の朴烈義士記念館訪問で最も気になったのはこの展示である。 「김구 선생님과 박열 의사」(金九先生と朴烈義士)と題した、2階のコーナーに展示されていたもの。 「朴烈にとって金九は独立運動の大先輩で民族史に永遠に残る恩師であった」とある…

韓国聞慶旅行4.[2日目] 朴烈義士記念館の展示

何はともあれ、どうにか朴烈義士記念館に到着。まずは敷地内にある金子文子の墓にあいさつ。 それから、記念館の展示を眺める。前回訪れたのは去年10月だが、半年ほどの間に展示が変わっている。 まず、気が付いたのは張義淑(チャンウィスク)に関する展示…

韓国聞慶旅行3.[2日目] 3回目にして・・・

2日目、仁寺洞のホテルをチェックアウトして聞慶に向かう。地下鉄安国駅から東ソウル総合バスターミナルのあるカンビョン駅までは約30分。今回はトラブルもなくすいすい行けて、10時20分発の高速バスに乗ることができた。 バスの中からの風景。このバベルの…

韓国聞慶旅行2.[1日目] まずはソウルへ

福岡を12時過ぎにたつ便で、仁川国際空港に到着。初日はソウルに1泊し、翌日聞慶に移動することとする。 仁川からソウルまではエアポートバスを利用。宿泊するホテルがある仁寺洞に向かう途中、光化門の前を通った時、プラカードや横断幕を掲げた人たちが歩…

韓国聞慶旅行1.

久しぶりに韓国に行くことにしたのは、聞慶にある朴烈義士記念館のHPを見ていて、今年の7月に山梨で金子文子に関するフォーラムが行われると知ったからである。早速、「山梨 金子文子 フォーラム」等のキーワードで検索をかけてみたが、何も出てこない。…

朴烈「働かずにどんどん食い倒す論」

今朝の新聞に「生活保護バッシングなど、『働かざる者食うべからず』の風潮が強くなっている」という記事が載っていたので、90年ほど前に朴烈が書いた「働かずにどんどん食い倒す論」をご紹介。 金子文子と出していた雑誌「現社会」(「太い鮮人」改題)に寄…

東京・山梨旅行7.[3日目] 不逞社跡

旅行最終日。8時前にホテルをチェックアウトして向かったのは、「不逞社」跡だ。 金子文子と朴烈が不逞社を設立したのは、1923年4月のことである。「民族的でもなく、社会主義でもなく、ただ反逆ということ」を目的に、朝鮮人17名、日本人6名の計23名で結…

キャンドルデモ1周年ツアー13.[3日目]

朴烈義士記念館で展示を見た後、もう一度金子文子の墓地へ行った。 同志の栗原一男も、ここに文子の墓所を作るにあたって尽力したようだ。 文子の墓地からは聞慶の山の風景がよく見える。 その日はずっと曇っていて風が冷たかったのだけど、文子の墓地にいる…

キャンドルデモ1周年ツアー12.[3日目]

最後は不逞社の同志・栗原一男、新山初代、金重漢の写真。 左端の紳士が栗原一男 下に写っているのが新山初代と金重漢 新山初代には私はちょっと興味がある。彼女は金子文子より2つほど年上で、文子の親友だった。二人は1922年、正則英語学校の同級生として…

キャンドルデモ1周年ツアー11.[3日目]

実のところ、朴烈義士記念館でこの展示を見た時、どういう経緯で金九が朴烈に手紙を書いたのかよくわからなかった。 一緒に李承晩が朴烈にあてた手紙も展示されていたけれど、評伝を読んでもそのことに関する記述はなく、あれはどんなことが書いてあるのだろ…

キャンドルデモ1周年ツアー10.[3日目]

布施辰治は朝鮮と関りの深い人である。1880年に宮城県の農家に生まれた布施は、漢学塾に通う中で中国と朝鮮の文化に触れ、隣国に惹かれるようになったようである。1919年、東京の朝鮮基督教青年会館で開かれた集会で朝鮮人留学生が検挙、裁判にかけられると…

キャンドルデモ1周年ツアー9.[3日目]

朴烈義士記念館には、かの有名な「怪写真」も展示されている。椅子に座った朴烈の膝の上に金子文子が腰かけて本を読み、朴烈の手は文子の胸元に回っているという、二人の親密さを感じさせる一枚。 初めてこの写真を見た時、二人のリラックスした様子から自宅…

キャンドルデモ1周年ツアー8.[3日目]

朴烈義士記念館に展示されていた資料の中からご紹介。「太い鮮人」第一号。 「太い鮮人」は1922年11月、金子文子と朴烈が創刊した雑誌である。 当初は「不逞鮮人」というタイトルだったが、警視庁の許可が下りるわけがなく、警視庁係官が「太い奴だ」と言っ…

キャンドルデモ1周年ツアー7.[3日目]

今回も紆余曲折ありつつ、何とか記念館に到着。(多分、次に行く時も色々ある)さて、記念館に入るとまず正面に、朴烈の像が座っている。 私が注目したのはその像の後ろ。朴烈が1922年、知人にあてて書いた手紙の複製だ。それはこんな内容。 「海野さん。 随…

キャンドルデモ1周年ツアー6.[3日目]

ツアー3日目は、他の参加者とわかれて単独行動。せっかくソウルに来たので、聞慶に行くこととする。 聞慶はソウルから高速バスで2時間の小さな田舎町だ。そこに「朴烈義士記念館」と金子文子の墓地がある。 朴烈義士記念館に前回行ったのは去年の12月30日…

金子文子の自立性

塩からきめざしあぶるよ女看守のくらしもさして楽にはあらまじ 金子文子が獄中で読んだ歌の中で、私が最も好きな一首。彼女は獄中にあっても、社会の底辺でもがく人たちに寄り添い続けた。文子は予審の中で「朝鮮の方のなさる独立運動を思う時、他人のことと…

金子文子と朴烈

イジュニク監督の「朴烈(박열)」が6月に韓国で公開予定だそうだ。朴烈を演じるのはイジェフン。しかし、私が気になるのは、朴烈より金子文子がどう描かれるかということ。「朴烈を献身的に支え続けた健気な女性」みたいな描き方はしてほしくない。金子文…

ソウル・聞慶旅行9.[2日目] 夕食など

朴烈記念館で展示を見た後は、タクシーを呼んでもらいバスターミナルまで戻った。 実は帰りもバスで・・・と思い、最寄りのバス停まで歩いたけれど、バス停には時刻表も何もなく、一体何時のバスがあるのか、何番のバスに乗ればいいのかわからず、再び記念館に…

ソウル・聞慶旅行8.[2日目] 朴烈記念館を見学

金子文子のお墓をお参りした後は、朴烈記念館の展示を見学した。 展示室は1階と2階にあるが、1階の展示は大部分が金子文子に関する資料だった。 金子文子の書いた文章を韓国語に訳したもの 原文は「私は日本人ですけれども、日本人が憎くて憎くて腹のたぎ…