旅と映画

行ったところと観た映画の個人的な記録

伊藤野枝

桜の時期に5.[東京憲兵隊本部跡]

帰りの飛行機の時間が迫る中、最後にもう1ヶ所だけ寄ってきた。東京憲兵隊本部跡である。大杉栄と伊藤野枝、甥の橘宗一が殺害された現場だ。 3人が殺されたのは1923年9月16日。実行犯は陸軍憲兵大尉の甘粕正彦だが、野枝と大杉の遺体は胸骨や肋骨が何本も…

明治大正テロリズムの残滓を訪ねる5.[菊富士ホテル跡]

燕楽軒跡で和田久太郎に思いを馳せ、菊坂通りをゆるゆると下って向かうは菊富士ホテル跡である。 菊富士ホテルは1914年、本郷区菊坂に開業した。坂口安吾、谷崎潤一郎、宇野千代、広津和郎、正宗白鳥、直木三十五、竹久夢二、宮本百合子、湯浅芳子、三木清と…

大逆ツアー 鎌倉編7.[カフェーパウリスタ]

東京滞在最終日。少し早めにホテルをチェックアウトして、東京駅周辺をぶらりと歩いてみた。八重洲ブックセンターをのぞいて、銀座方面へ。 と、かの有名な「カフェーパウリスタ」を見つけた。 お店のホームページによると、カフェーパウリスタが銀座に開業…

大逆ツアー 鎌倉編2.[青鞜社発祥の地]

青鞜社の跡地は東京メトロ千代田線・千駄木駅から歩いて5分ほど。団子坂を少し登ったところにある。江戸川乱歩の「D坂の殺人事件」でおなじみの団子坂だ。 女性たちによる文芸誌「青鞜」が発刊されたのは1911年9月1日。創刊者として平塚らいてうの名前が…

大逆ツアー 鎌倉編1.[都電荒川線ぶらり旅]

4月上旬、久しぶりに東京を訪問した。といっても、今回のメインの訪問先は鎌倉である。鎌倉にある村木源次郎の墓を訪ねるのだ。 村木は大杉栄、伊藤野枝の同志で二人の家に居候し、家事や育児をして活動を支えた人物である。あだ名は「ご隠居」。自身は肺結…

伊藤野枝の故郷・今宿を訪ねる3.

伊藤野枝の死からちょうど1ヶ月後の1923年10月16日、親族によって故郷の今宿で葬儀が行われた。右翼団体や在郷軍人会の反対にあい、警察が警備する中での物々しい葬儀だった。今宿松原の共同墓地に墓標が建てられるが、引っこ抜かれるなどの嫌がらせを受け…

伊藤野枝の故郷・今宿を訪ねる2.

東京から来た知人を、伊藤野枝の生家跡や今宿の海岸に案内した後は、野枝の墓に手を合わせに向かった。 関東大震災時の混乱に乗じ、野枝と大杉栄、そのおいの橘宗一が官憲に虐殺されたのは1923年9月16日のことだ。被災した大杉の弟を横浜まで見舞いに行き、…

伊藤野枝の故郷・今宿を訪ねる1.

2018年に山梨で行われた金子文子の追悼式に参加したことが縁で知り合った方が、福岡に来られるというので伊藤野枝の故郷である今宿をご案内した。今宿は福岡の中心地・天神から電車で西へ20分ほど。昔は福岡藩と唐津藩(現在の佐賀県唐津市)を結ぶ唐津街道…

伊藤野枝の今宿

世間は代替わりで盛り上がっている5月1日、韓国から国民文化研究所のKさんが福岡にいらっしゃったので、友人のFさん、Iさんの案内で伊藤野枝ゆかりの場所を訪ねてきた。 日本で最も有名な女性アナキストと言って過言ではないであろう伊藤野枝は、1895年…

2018年 金子文子忌4.[労働運動社跡]

新山初代の墓と住居跡を見た後は、労働運動社跡を訪ねた。 ロシア革命の影響で日本でも労働運動が盛り上がりつつあった1919年、大杉栄、伊藤野枝、近藤憲二、中村還一、久坂卯之助、和田久太郎、村木源次郎らが中心となって機関誌「労働運動」を創刊。その刊…