旅と映画

行ったところと観た映画の個人的な記録

2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

久留米とドイツ兵3. [ドイツ兵俘虜慰霊碑、ほか戦跡]

ドイツ兵俘虜慰霊碑は、JR南久留米駅から歩いて20分ほどのところにある。慰霊碑のほか旧陸軍に関係する戦跡がいくつか残っているので、それらも併せて訪ねてみた。 まず、歩いていると唐突に「忠霊鎮護之地」と刻まれた石碑が見えてくる。大きくカーブした…

久留米とドイツ兵2. [俘虜収容所での生活]

1914(大正3)年10月、久留米にドイツ兵俘虜(捕虜)を収容するための収容所が設置された。全国で最初に設置された収容所である。所長は樫村弘道が務めた。 京町の梅林寺、日吉町の大谷派教務所・事務所、篠山町の香霞園、三井郡上荒木(こうだらき)村の高…

久留米とドイツ兵1. [軍都としての久留米]

一度ゆっくり訪ねてみたいのだけど、なかなか叶わずにいるところの一つに、久留米がある。福岡県の南部、筑後平野に位置する久留米市は、私が住んでいる福岡市から西鉄電車の特急に乗れば30分。筑後川がゆったりと流れ、文化の香りがする素敵な街である。仕…

「一月の声に歓びを刻め」

キノシネマ天神で、三島有紀子監督の「一月の声に歓びを刻め」を鑑賞。北海道・洞爺湖の中島、伊豆諸島の八丈島、大阪の堂島という3つの島を舞台にした、喪失と再生の物語だ。 中島のマキは幼い娘が性暴力の末に殺され、恐らくはそのために自分が男性である…

人身売買された宰相 高橋是清2.

慶応3(1867)年、アメリカに留学した14歳の高橋是清は、まずサンフランシスコでヴァンリードという老夫婦の家に世話になることとなった。老夫婦は最初こそ歓待してくれたものの、是清に料理の手伝いや部屋の掃除、使い走りなどの下働きをさせ始める。勉強…

人身売買された宰相 高橋是清1.

江戸東京たてもの園にて、高橋是清邸を見る機会があった。高橋是清は言うまでもなく、日本の首相にもなったことのある人物だ。たてもの園に保管されているのは、1902年に赤坂に建てられた家屋で、実はこの2階が二・二六事件の舞台である。 二・二六事件が起…