旅と映画

行ったところと観た映画の個人的な記録

蒼穹の昴

DVDをレンタルして観ていたドラマ「蒼穹の昴」全8巻を、ついに昨日で観終わってしまった。
浅田次郎の小説が原作の日中合作ドラマで、2010年9月から11年3月までNHKで放送されていたそう。
清朝末期の中国が舞台なので、登場人物はほぼ中国人。その中で日本人の女優・田中裕子が、全編中国語で西大后を演じている。
セリフが全て中国語というだけで大変なプレッシャーだろうに、演じるのがよりにもよって西大后。どれほどの苦労があったかと思うが、田中裕子は全25話、実に魅力的な西大后を演じきった。
映画やドラマでは何かと悪役に描かれがちな西大后。しかし、田中裕子の演じる西大后はただ冷徹で恐ろしいだけでなく、権力を握ったが故の苦悩や孤独をにじませ、人間らしいチャーミングさも存分に見せてくれた。
贅をこらした豪華絢爛たる衣装や、紫禁城頤和園などの歴史的建造物の素晴らしさにも目を奪われる。
波乱万丈な物語に手に汗を握りつつ、中国という国の持つ奥深さに酔いしれる、幸せな25話だった。
ほんの10年前まで、日本と中国とで共同で、こんな素晴らしいドラマが作られていたのに・・・