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東京大逆ツアー2.[大逆事件追悼集会]

 東京滞在2日目の土曜日、管野須賀子の墓がある正春寺で行われる大逆事件の追悼集会に参加した。今回で109回目だと聞き驚く。大逆事件幸徳秋水らが処刑された直後、弾圧を生き延びた堺利彦らが開いたのが最初であるという。その後のものが言えぬ時代にも「茶話会」の形で途切れることなく行われた。その名残りで、今でもお茶とお菓子が用意されている。

 大逆事件は1910年、幸徳秋水社会主義者無政府主義者明治天皇暗殺を企てたとして26名が起訴、24名に死刑判決が出、12名は実際に処刑された事件だ。大審院での公判は、判決の言い渡し以外ほぼ非公開で行われるという異様な裁判であった。処刑された以外にも、数名が獄中で亡くなっている。戦後の研究で、この事件は政府側が思想弾圧のためにでっち上げた、いわば権力犯罪であることが明らかになっている。

 109回目となる今年は、全国から80名ほどが参加。幸徳秋水をはじめ、去年、和歌山県新宮市の名誉市民となった大石誠之助、それから高木顕明、森近運平等々、各地で冤罪を着せられた人たちの名誉を回復し、顕彰する継続的な活動が行われており、その報告が行われた。管野須賀子に関しては、大阪で顕彰碑を建てる会ができたという。

 大逆事件の中でただ一人、女性の犠牲者である須賀子に関しては「妖婦」「悪女」という誤ったイメージが未だ根強く、新聞記者として活躍した姿や女性解放を訴えたことが広く知られているとは言い難い。是非、顕彰碑を建てて彼女の名誉を回復してほしい。

 

Sugako

 

管野須賀子の墓